DataStax Enterprise 4.6へのアップグレード
DataStax Enterpriseバージョン3.2.5~4.5からDataStax Enterprise 4.6にアップグレードする手順。
DataStax EnterpriseおよびApache Cassandra™の構成ファイル
構成ファイル | Installer-Servicesおよびパッケージ・インストール | Installer-No Servicesおよびtarボール・インストール |
---|---|---|
DataStax Enterpriseの構成ファイル | ||
byoh-env.sh | /etc/dse/byoh-env.sh | install_location/bin/byoh-env.sh |
dse.yaml | /etc/dse/dse.yaml | install_location/resources/dse/conf/dse.yaml |
logback.xml | /etc/dse/cassandra/logback.xml | install_location/resources/logback.xml |
spark-env.sh | /etc/dse/spark/spark-env.sh | install_location/resources/spark/conf/spark-env.sh |
spark-defaults.conf | /etc/dse/spark/spark-defaults.conf | install_location/resources/spark/conf/spark-defaults.conf |
Cassandraの構成ファイル | ||
cassandra.yaml | /etc/cassandra/cassandra.yaml | install_location/conf/cassandra.yaml |
cassandra.in.sh | /usr/share/cassandra/cassandra.in.sh | install_location/bin/cassandra.in.sh |
cassandra-env.sh | /etc/cassandra/cassandra-env.sh | install_location/conf/cassandra-env.sh |
cassandra-rackdc.properties | /etc/cassandra/cassandra-rackdc.properties | install_location/conf/cassandra-rackdc.properties |
cassandra-topology.properties | /etc/cassandra/cassandra-topology.properties | install_location/conf/cassandra-topology.properties |
jmxremote.password | /etc/cassandra/jmxremote.password | install_location/conf/jmxremote.password |
Tomcatサーバーの構成ファイル | ||
server.xml | /etc/dse/resources/tomcat/conf/server.xml | install_location/resources/tomcat/conf/server.xml |
cassandra.yaml
cassandra.yamlファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。
パッケージ・インストール |
/etc/cassandra/cassandra.yaml |
tarボール・インストール |
install_location/conf/cassandra.yaml |
Cassandraのメジャー・バージョンのアップグレード
Apache Cassandraのメジャー・リリースを含むアップグレードには、SSTableのアップグレードが必要です。- DataStax Enterprise 6.7はCassandra 3.11と互換性があります。
- DataStax Enterprise 6.0はCassandra 3.11と互換性があります。
- DataStax Enterprise 5.1はCassandra 3.11を使用します。
- DataStax Enterprise 5.0はCassandra 3.0を使用します。
- DataStax Enterprise 4.7~4.8はCassandra 2.1を使用します。
- DataStax Enterprise 4.0~4.6はCassandra 2.0を使用します。
dse.yaml
dse.yamlファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。
パッケージ・インストール |
/etc/dse/dse.yaml |
tarボール・インストール |
install_location/resources/dse/conf/dse.yaml |
アップグレードの順序
ノードは以下の順序でアップグレードします。- 複数データ・センター・クラスターでは、1つのデータ・センター内のすべてのノードをアップグレードしてから、別のデータ・センターをアップグレードします。
- データ・センター内のシード・ノードを最初にアップグレードします。
- ノードは以下の順序でアップグレードします。
- DSE Analyticsデータ・センター
- トランザクション/DSE Graphデータ・センター
- DSE Searchデータ・センター
DataStaxドライバーの変更点
DataStaxドライバーには2つのタイプがあります。
- DataStax Enterprise用DataStaxドライバー:DSE 4.8以降用
- Apache Cassandra™用DataStaxドライバー:Apache Cassandra™およびDSE 4.7以前のバージョン用
DataStax Enterprise用DataStaxドライバー | Apache Cassandra用DataStaxドライバー |
---|---|
C/C++ | C/C++ |
C# | C# |
Java | Java |
Node.js | Node.js |
Python | Python |
メンテナンス・モード・ドライバー | |
DataStaxでサポートされますが、新しいバージョンには重大なバグの修正のみが含まれます。 | |
PHP | PHP |
Ruby | Ruby |
追加のドライバーのドキュメント | |
すべてのドライバー | バージョンの互換性 |
DataStax Enterpriseバージョン3.2.5~4.5からDataStax Enterprise 4.6にアップグレードするには、以下の手順に従います。
Cassandraのバージョン変更
DataStax Enterprise 3.2.5から4.6へのアップグレードには、Cassandraのメジャー・バージョン の変更が含まれます。SSTableをアップグレードするための推奨事項に必ず従ってください。
一般的な推奨事項
DataStaxでは、バージョン・アップグレードの前に、ログ、カスタム構成などのデータをバックアップすることを推奨しています。バックアップすることによって、必要に応じて前のバージョンで使用したすべてのデータに戻したり、そのデータを復元したりすることができます。
アップグレードの制限事項
制限事項は、クラスターの一部が部分的にアップグレードされている状態で適用されます。
これらの例外により、クラスター内のすべてのノードがアップグレードされるまで、クラスターはDataStax Enterpriseの以前のバージョンであるかのように機能し続けます。
- アップグレード中の一般的な制限事項
-
- 新しい機能を有効にしないでください。
- nodetool repairを実行しないでください。OpsCenter Repair Serviceが構成されている場合は、Repair Serviceをオフにします。
- OpsCenterの互換性を確認してください。DSE 6.0クラスターを管理するには、OpsCenter 6.5が必要です。「DataStax OpsCenterとDataStax Enterpriseの互換性」を参照してください。
- アップグレード中は、ノードをブートストラップしたり、使用廃止にしたりしないでください。
- ローリング再起動中に、DDL、TRUNCATEのような種類のCQLクエリーを実行しないでください。
- バージョンが混在しているクラスターではChange Data Capture(CDC)を有効にしないでください。すべてのノードをDSE 5.1以降にアップグレードしてからCDCを有効にしてください。
- 必要なときにSSTableをアップグレードしなかった場合、パフォーマンスが大幅に低下し、ディスク使用量が増加します。アップグレードは、SSTableがアップグレードされるまで完了しません。
注: アップグレード中、異なるバージョン上のノードでスキーマの不一致が発生する場合があります。- NodeSyncは、すべてのノードがアップグレードされるまで起動を待機します。
- バージョンが混在しているクラスターではChange Data Capture(CDC)を有効にしないでください。すべてのノードをアップグレードしてからCDCを有効にしてください。
- OpsCenterの互換性を確認してください。DSE 6.7クラスターを管理するには、OpsCenter 6.7が必要です。「DSE OpsCenterとDataStax Enterpriseの互換性」を参照してください。
- DSE Graphノードの制限事項
- グラフノードには、実行するワークロードと同じ制限事項があります。アップグレード中はグラフ・スキーマを変更しないでください。アップグレード中にOLAPクエリーを実行しないなどの、ワークロードに固有の制限事項は、analyticsおよびsearchノードに適用されます。
- DSE Analytic(HadoopおよびSpark)ノードの制限事項
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- すべてのノードがアップグレードされるまで、分析ジョブを実行しないでください。
- ノードを停止して新しいバージョンをインストールする前に、すべてのSparkワーカー・プロセスを強制終了してください。
- DSE Analytic(Spark)ノードの制限事項
-
- すべてのノードがアップグレードされるまで、分析ジョブを実行しないでください。
- DSE Analytic(Spark)ノードの制限事項
-
- すべてのノードがアップグレードされるまで、分析ジョブを実行しないでください。
- SparkワーカーおよびSparkマスターが起動する前にクラスター内のすべてのノードを新しいバージョンにアップグレードしておく必要があります。
- DSE Analytic(Spark)ノードの制限事項
-
- すべてのノードがアップグレードされるまで、分析ジョブを実行しないでください。
- ノードを停止して新しいバージョンをインストールする前に、すべてのSparkワーカー・プロセスを強制終了してください。
- DSE Searchアップグレードの制限事項
-
- スキーマを更新しないでください。
- アップグレード中にDSE Searchノードにインデックスを付け直さないでください。
- DSE 6.0以降のバージョンは新しいLuceneコーデックを使用しています。この新しいコーデックで書かれたセグメントは、以前のバージョンのDSEでは読み取れません。以前のバージョンにダウングレードするには、問題となる可能性のある検索インデックスのデータ・ディレクトリー全体を消去する必要があります。
-
- DataStax Enterprise 6.7のDSE SearchはApache Solr 6.0を使用します。この大幅な変更により、アップグレードの前後で、事前の計画と特定の措置が求められます。
- DSE Searchアップグレードの制限事項
-
- スキーマを更新しないでください。
- アップグレード中にDSE Searchノードにインデックスを付け直さないでください。
- DSE 6.0以降のバージョンは新しいLuceneコーデックを使用しています。この新しいコーデックで書かれたセグメントは、以前のバージョンのDSEでは読み取れません。以前のバージョンにダウングレードするには、問題となる可能性のある検索インデックスのデータ・ディレクトリー全体を消去する必要があります。
- DataStax Enterprise 5.1以降のDSE SearchはApache Solr 6.0を使用します。この大幅な変更により、アップグレードの前後で、事前の計画と特定の措置が求められます。
重要: DSE SearchまたはSearchAnalyticsワークロードをアップグレードする前に、「DSE SearchおよびSearchAnalyticsノードをアップグレードするための高度な準備」セクションの特定のタスクに従う必要があります。 - DSE Searchアップグレードの制限事項
-
- スキーマを更新しないでください。
- アップグレード中にDSE Searchノードにインデックスを付け直さないでください。
- DSE Search(Solr)ノードの制限事項
- 任意の種類のセキュリティを使用するノードの制限事項
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- すべてのノードでアップグレードが完了するまで、セキュリティ認証情報またはパーミッションを変更しないでください。
- Kerberosをまだ使用していない場合は、アップグレードの前にKerberos認証を設定しないでください。最初にクラスターをアップグレードしてからKerberosをセットアップしてください。
- 任意の種類のセキュリティを使用するノードの制限事項
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- アップグレードの完了後まで、セキュリティ認証情報またはパーミッションを変更しないでください。
- ドライバー・バージョンに互換性がない場合のドライバーのアップグレードと被る可能性のある影響
- ドライバーの互換性を必ず確認してください。ドライバー・バージョンによっては、クライアント・アプリケーション・コードの再コンパイルが必要になる場合があります。参照先: DataStaxドライバーの変更点。
3.2.5以降から4.6へのアップグレードの準備
- アップグレードの前に、各ノードに十分な量の空きディスク領域があることを確認してください。
必要なディスク領域は、コンパクション戦略によって異なります。「ディスク領域」を参照してください。
- 現在の製品バージョンを確認します。4.6にアップグレードする前に、必要に応じて、次のいずれかの中間バージョンにアップグレードします。
- DataStax Enterprise 3.2.5以降
- DataStax Communityまたはオープン・ソースのApache Cassandra™ 1.2.16
- すべてのSSTableが最新バージョンとなるように、各ノード上のSSTableをアップグレードしてください。
nodetool upgradesstables
この手順は、 Cassandraのメジャー・バージョン の変更を含むDataStax Enterpriseのアップグレードに必要です。警告: 必要なときにSSTableをアップグレードしなかった場合、パフォーマンスが大幅に低下し、ディスク使用量が増加します。SSTableが既に現在のバージョンになっている場合、このコマンドは即座に終了し、アクションは発生しません。
- 3.2.xからのアップグレードの場合のみ:このcassandra.yaml ファイルを編集して、以下のオプションを除去またはコメント・アウトします。
# auth_replication_options: # replication_factor: 1
- Searchノードのある4.0.0から4.5へのアップグレードの場合のみ:「searchノードのあるDataStax Enterprise 4.0.0からのアップグレード」を参照してください。
- Java Runtimeバージョンを確認し、推奨バージョンにアップグレードしてください。
java -version
Oracle Java SE Runtime Environment 7または8、あるいはOpenJDK 7の最新バージョンが推奨されます。開発および実稼働システムではJDKを推奨しています。JDKには、jstack、jmap、jps、jstatなどのJREにはないトラブルシューティング用のツールがあります。注: Oracle Java 7を使用する場合は、最低でも1.7.0_25を使用する必要があります。Oracle Java 8を使用する場合は、最低でも1.8.0_40を使用する必要があります。 - このリリースの変更点と機能について十分理解してください。
- DataStax Enterprise 4.6のリリース・ノート。エンドポイント・スニッチ:DataStax Enterprise 4.6からは、エンドポイント・スニッチは cassandra.yamlで設定され、dse.yamlでは設定されません。com.datastax.bdp.snitch.DseDelegateSnitchは、cassandra.yaml内でcom.datastax.bdp.snitch.DseSimpleSnitchで置き換えられ、
endpoint_snitch
オプションはdse.yamlから削除されました。注: DataStaxインストーラーは、自動的にデフォルトのendpoint_snitch
をDseSimpleSnitch
に設定し、dse.yamlファイルからこのオプションを削除します。 - アップグレードに関する一般的なアドバイスおよびApache Cassandraの機能については、NEWS.txtに記載されています。以前のリリースからアップグレードする場合は、NEWS.txtで現在ご使用のバージョンに関する箇所まですべてお読みください。
- Apache Cassandraでの変更点については、CHANGES.txtに記載されています。
- DataStax Enterprise 4.6のリリース・ノート。
- 使用する 構成 ファイルを、コマンドを通常実行するディレクトリーにないフォルダーにバックアップします。
構成ファイルは、新しいバージョンのインストール中にデフォルト値で上書きされます。
- nodetool repairを実行して、各レプリカ上のデータと他のノード上のデータの整合性を確保します。
3.2.5以降から4.6へのアップグレード
DataStax Enterpriseのアップグレード・プロセスは、ダウンタイムの最小化(ゼロ・ダウンタイムが理想)を実現します。プロセス中、他のノードがオンラインで稼働し続けている状態でノードを1つずつアップグレードして再起動します。若干の例外はありますが、クラスター内のすべてのノードがアップグレードされるまで、クラスターはDataStax Enterpriseの以前のバージョンであるかのように機能し続けます。
DataStax Enterprise 3.2.5以降からDataStax Enterprise 4.6にアップグレードするには、各ノードで以下の手順に従います。
- アップグレードの順序は重要です。ノードは以下の順序でアップグレードします。
- 複数データ・センター・クラスターでは、1つのデータ・センター内のすべてのノードをアップグレードしてから、別のデータ・センターをアップグレードします。
- データ・センター内のシード・ノードを最初にアップグレードします。
DSE Hadoopを使用するDSE Analyticsノードでは、Job Trackerノードを最初にアップグレードします。次にHadoopノード、Sparkノードの順にアップグレードします。
- ノードは以下の順序でアップグレードします。
- DSE Analyticsデータ・センター
- トランザクション/DSE Graphデータ・センター
- DSE Searchデータ・センター
- 古いインストールのコミット・ログをフラッシュするには、次のようにします。
nodetool -h hostname drain
この手順により、アップグレード後のノードの起動時に時間が節約されるほか、DSE Searchノードでデータに再度インデックス付けする手間を省くことができます。重要: SSTable形式を変更し、前のバージョンのコミット・ログのレンダリングが新しいバージョンと互換性がないCassandraのメジャー・バージョン間でアップグレードを行う場合、この手順は必須です。 - DSE Analyticsノード:すべてのSparkワーカー・プロセスを強制終了します。
- ノードを停止します(ノードの停止)。
- 適切なインストール・タイプを使用して、サポートされるプラットフォームに新しい製品バージョンをインストールします。注: システム上にある同じインストール・タイプを使用して新しい製品バージョンをインストールします。アップグレードではインストール・タイプに関係なくインストールを行います。異なるインストール・タイプを使用する場合、アップグレードで問題が発生する可能性があります。
- cassandra.yamlを開き、
endpoint_snitch
オプションをdse.yamlのdelegated_snitch
で設定したものと同じスニッチに設定します。endpoint_snitch: com.datastax.bdp.snitch.DseSimpleSnitch
- 古いdse.yamlファイルから
delegated_snitch
オプションを削除します。 - 新しいバージョンを構成するには、バックアップされた構成ファイルを使用して変更を新しいバージョンの構成ファイルにマージします。
- ノードを起動します。
- アップグレード後のデータ・センター名がキースペース・スキーマ定義内のデータ・センター名と一致することを確認します。
nodetool status
- 警告、エラー、および例外がないか、ログを確認します。
多くの場合、警告、エラー、および例外は、アップグレードしたノードの起動時にログに表示されます。これらのログ・エントリーの一部は、固有のアップグレード関連の手順を実行するときに役立ちます。予想しなかった警告、エラー、または例外が表示された場合は、DataStaxサポートまでお問い合わせください。
- 推奨される 順序に従って、クラスター内の各ノードでアップグレードを繰り返します。
- アップグレードに Cassandraのメジャー・バージョンが含まれている場合は、SSTableのアップグレードが必要です。DataStaxでは、一度に1つのノード(ラックを使用している場合は一度に1つのラック)のSSTableをアップグレードすることを推奨します。 警告: 必要なときにSSTableをアップグレードしなかった場合、パフォーマンスが大幅に低下し、ディスク使用量が増加します。アップグレードは、SSTableがアップグレードされるまで完了しません。
nodetool upgradesstables
SSTableが既に現在のバージョンになっている場合、このコマンドは即座に終了し、アクションは発生しません。「SSTableの互換性とアップグレード・バージョン」を参照してください。
同時にアップグレードするSSTableの数を設定するには、
--jobs
オプションを使用します。デフォルト設定は2です。この設定にすると、クラスターへの影響を最小限に抑えられます。利用可能なすべてのコンパクション・スレッドを使用するには、0に設定します。DataStaxでは、一度に1つのノード(ラックを使用している場合は一度に1つのラック)で、upgradesstables
コマンドを実行することを推奨します。注: すべてのノードがアップグレードされる前にupgradesstables
コマンドを実行できます。ただし、このコマンドを一度に1つのノード(ラックを使用する場合は一度に1つのラック)のみで実行する場合に限ります。upgradesstables
を実行するノードが多すぎると、パフォーマンスが低下します。