別のクラスターに収集データを格納する
監視対象のクラスターに対して別のストレージ・クラスターを構成します。OpsCenterが監視対象のDataStax EnterpriseクラスターにあるOpsCenterキースペースにデータを格納する代わりに、別のDataStax Enterpriseクラスターに収集データを格納します。
cluster_name.conf
cluster_name.confファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。
- パッケージ・インストール:/etc/opscenter/clusters/cluster_name.conf
- tarボール・インストール:install_location/conf/clusters/cluster_name.conf
address.yaml
address.yamlファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。
- パッケージ・インストール:/var/lib/datastax-agent/conf/address.yaml
- tarボール・インストール:install_location/conf/address.yaml
OpsCenterが監視対象のDataStax EnterpriseクラスターのOpsCenterキースペースにデータを格納するのを避けたい場合は、別のDataStax Enterpriseクラスターにデータを格納できます。SSLが有効になっている場合、OpsCenterはDataStax Enterpriseストレージ・クラスターへの接続をサポートします。
エージェントには2つの異なるクラスター接続があります。監視対象のクラスターとストレージ・クラスターが異なる場合、エージェントはこれらの接続の一方で監視対象のクラスターの健全性を監視し、もう一方の接続でストレージ・クラスターにメトリクスを書き込みます。別のストレージ・クラスターが存在しない場合は、両方の接続プールが同じDataStax Enterpriseクラスター・インスタンスを指します。
始める前に
- シード・ノードには、Kerberosセキュリティを使用せずにアクセスできる必要があります。
- OpsCenterが監視するDataStax Enterpriseクラスターごとに、一意のキースペースを使用する必要があります。複数のクラスターのデータを格納する場合は、クラスター名をサフィックスとして
OpsCenter
のデフォルトのキースペース名に追加することが推奨されています。たとえば、キースペース名をOpsCenter_Cluster1
に設定します。
手順
-
編集する、ストレージ・クラスターの構成ファイルcluster_name.confを開きます。cluster_name.confは、特定のクラスターの名前付き構成ファイルを表しています。
cluster_name
は実際のクラスター名に置き換えます。 -
お使いの環境に適したストレージ構成オプションを指定して
[storage_cassandra]
セクションを追加します。次の構成例では、監視対象のクラスターとストレージ・クラスター間の認証が類似していると仮定しています。
[storage_cassandra] username = opsusr password = opscenter seed_hosts = host1, host2 api_port = 9160 cql_port = 9042 keyspace = OpsCenter_Cluster1
ヒント: cluster_name.confファイルの[agent_config]
セクションでほとんどのエージェント構成オプションを設定できます。[agent_config]
セクションのオプションは、address.yamlの対応する構成オプション名と一致する必要があります。クラスター構成ファイルでエージェント・オプションを設定すると、各ノードのaddress.yamlで対応するプロパティが設定されます。特定のプロパティや状況によっては、該当するエージェント上のaddress.yamlで直接プロパティを設定する必要がある場合もあります。リスト・エントリー(値1、値2、値3など)が必要なエージェント構成オプションの設定は、cluster_name.confではサポートされていません。監視対象のクラスターとストレージ・クラスターに使用できるクラスター構成オプションは、次のとおりです。
- [agents] ssl_keystore
- 監視対象クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアの場所。
- [agents] ssl_keystore_password
- 監視対象クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアのパスワード。
- [agents] storage_ssl_keystore
- ストレージ・クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアの場所。
- [agents] storage_ssl_keystore_password
- ストレージ・クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアのパスワード。
- [cassandra] seed_hosts
- Cassandraシード・ノードは、リング・トポロジーを特定し、クラスター内のノードに関するゴシップ情報を取得するために使用されます。シード・ノードのコンマ区切りリストは、cassandra.yaml構成ファイルのシード・プロパティでCassandraまたはDataStax Enterpriseクラスター用に構成したリストと同じでなければなりません。デフォルト値はlocalhostです。
- [storage_cassandra] seed_hosts
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。Cassandraシード・ノードは、リング・トポロジーを特定し、クラスター内のノードに関するゴシップ情報を取得するために使用されます。このシード・ノードのコンマ区切りリストは、cassandra.yaml構成ファイルのシード・プロパティでDataStax Enterpriseクラスター用に構成したリストと同じでなければなりません。
- [storage_cassandra] api_port
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。クラスター用に構成されたThriftリモート・プロシージャ―・コール・ポート。cassandra.yaml構成ファイルのrpc_portプロパティと同じです。デフォルトは9160です。
- [storage_cassandra] cql_port
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。クラスター用に構成されたCQLポート。デフォルト・ポートは9042です。
- [storage_cassandra] local_dc_pref
- クラスター情報を確実に特定するために、OpsCenterは2つ以上のノードに接続する必要があります。seed_hostsに単一値を指定した場合は、この要件を満たすためにOpsCenterによってクラスター内の2番目のノードが選択されます。データ・センター名にlocal_dc_prefを指定すると、OpsCenterが2番目のノードを選択するときにそのデータ・センターを使用するよう強制できます。
- [storage_cassandra] used_hosts_per_remote_dc
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。local_dc_prefを使用する場合に、フォールバックとして使用されるリモートDC接続数を指定します。デフォルト値は1です。
- [storage_cassandra] connect_timeout
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。OpsCenterからCassandraへのThrift接続のタイムアウトを秒単位で設定します。デフォルト値は6.0です。
- [storage_cassandra] bind_interface
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。Thrift接続に使用されるインターフェイス。
- [storage_cassandra] connection_pool_size
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。接続プール用に作成するThrift接続の数。デフォルト値は5です。
- [storage_cassandra] username
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。認証が有効になっている場合に、Cassandraへの接続に使用するユーザー名。
- [storage_cassandra] password
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。認証が有効になっている場合に、Cassandraへの接続に使用するパスワード。
- [storage_cassandra] send_rpc
- OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。Cassandra RPC IPをエージェントに送信するかどうかを指定します。デフォルト値はTrueです。
- [storage_cassandra] keyspace
- OpsCenterデータに使用されるキースペースの名前。キースペース名は、管理対象のクラスターごとに一意である必要があります。
- [storage_cassandra] ssl_keystore
- Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLキーストアの場所。
- [storage_cassandra] ssl_keystore_password
- Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLキーストアのパスワード。
- [storage_cassandra] ssl_truststore
- Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLトラストストアの場所。
- [storage_cassandra] ssl_truststore_password
- Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLトラストストアのパスワード。
- [cassandra] rolling_restart_retry_delay
- ノードの再起動後にCassandraへの接続をリトライする間隔(秒)。デフォルト:5。
- [cassandra] rolling_restart_retry_attempts
- Cassandraノードの再起動後に接続をリトライする最大回数。デフォルト:25。
- [cassandra] rolling_restart_error_threshold
- 再起動中にエラー数がこの数に達すると、ローリング再起動がキャンセルされます。これにより、ローリング再起動中に重大な問題が発生した場合に、クラスターで多くのノードがダウンするのを防ぐことができます。デフォルト:1
- [cassandra] restart_delay
- ローリング再起動中に、OpsCenterがCassandraの停止コマンドを送信してから再起動コマンドを送信するまでの待機時間(秒)。デフォルトは30秒です。
-
ストレージ・クラスターと監視対象のクラスターに異なる認証またはSSL設定を使用する場合は、編集するcluster_name.confを開き、環境に合わせて
[agents]
、[storage_cassandra]
、および[cassandra]
(監視対象)セクションに次の設定を追加します。[agents] ssl_keystore = /etc/dse/keystore ssl_keystore_password = example storage_ssl_keystore = /etc/dse/keystore_storage storage_ssl_keystore_password = example2 [storage_cassandra] username = foo password = bar [cassandra] #monitored username = baz password = test
注: 5.2.2より前のストレージ・クラスターにcassandra_user
設定のみが構成され、認証の違いがない場合は、5.2.2にアップグレードすると、opscenterd
によってストレージのcassandra_user
とmonitored_cassandra_user
設定の両方が自動的に設定されます。 -
お使いの環境でサードパーティCMSアプリケーションとの統合などの理由により、address.yamlのオプションを設定する必要がある場合は、ストレージ構成オプション(
monitored_
プレフィックスを除く)と対応するmonitored_
構成オプションを環境に合わせて設定します。これらのエージェント・オプションをaddress.yamlで設定する場合は、ノードごとに設定する必要があります。一方、cluster_name.confのオプションの設定は、すべてのエージェントに自動的に伝搬されます。ストレージ・クラスターと監視対象のクラスターに使用可能なaddress.yamlの構成オプションは、次のとおりです。
- cassandra_port
- ストレージのcassandraノードに接続する際に使用するポート。ネイティブ・トランスポート・ポート。例:
cassandra_port: 9042
- thrift_port
- ストレージのThriftサーバー接続する際に使用するポート。デフォルト設定は9160です。この情報は便宜上opscenterdから送信されますが、必要に応じてローカルに構成することも可能です。例:
thrift_port: 9160
- cassandra_user
- 認証が有効になっている場合に、ストレージのcassandraへの接続に使用するユーザー名。例:
cassandra_user: cassandra
- cassandra_pass
- 認証が有効になっている場合に、ストレージのcassandraへの接続に使用するパスワード。例:
cassandra_pass: cassandra
[このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。] - ssl_keystore
- エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLキーストアの場所。例:
ssl_keystore: /etc/dse/conf/.keystore
- ssl_keystore_password
- エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLキーストアのパスワード。例:
ssl_keystore_password: keystore-pass
[このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。] - ssl_truststore
- エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLトラスト・ストアの場所。例:
ssl_truststore: /etc/dse/conf/.truststore
- ssl_truststore_password
- エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLトラスト・ストアのパスワード。例:
ssl_truststore_password: truststore-pass
[このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。] - monitored_cassandra_port
- 監視対象のcassandraノードに接続する際に使用するポート。ネイティブ・トランスポート・ポート。例:
monitored_cassandra_port: 9042
- monitored_thrift_port
- 監視対象のThriftサーバーに接続する際に使用するポート。デフォルト設定は9160です。この情報は便宜上opscenterdから送信されますが、必要に応じてローカルに構成することも可能です。例:
monitored_thrift_port: 9160
- monitored_cassandra_user
- 認証が有効になっている場合に、監視対象のcassandraへの接続に使用するユーザー名。例:
monitored_cassandra_user: cassandra
- monitored_cassandra_pass
- 認証が有効になっている場合に、監視対象のcassandraへの接続に使用するパスワード。例:
monitored_cassandra_pass: cassandra-pass
[このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。] - monitored_ssl_keystore
- エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLキーストアの場所。例:
monitored_ssl_keystore: /etc/dse/conf/.keystore
- monitored_ssl_keystore_password
- エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLキーストアのパスワード。例:
monitored_ssl_keystore_password: keystore-pass
[このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。] - monitored_ssl_truststore
- エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLトラスト・ストアの場所。例:
monitored_ssl_truststore: /etc/dse/conf/.truststore
- monitored_ssl_truststore_password
- エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLトラスト・ストアのパスワード。例:
monitored_ssl_truststore_password: truststore-pass
[このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
- OpsCenterを再起動して、変更内容を適用します。