別のクラスターに収集データを格納する

監視対象のクラスターに対して別のストレージ・クラスターを構成します。OpsCenterが監視対象のDataStax EnterpriseクラスターにあるOpsCenterキースペースにデータを格納する代わりに、別のDataStax Enterpriseクラスターに収集データを格納します。

cluster_name.conf

cluster_name.confファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。

  • パッケージ・インストール:/etc/opscenter/clusters/cluster_name.conf
  • tarボール・インストール:install_location/conf/clusters/cluster_name.conf

address.yaml

address.yamlファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。

  • パッケージ・インストール:/var/lib/datastax-agent/conf/address.yaml
  • tarボール・インストール:install_location/conf/address.yaml

OpsCenterが監視対象のDataStax EnterpriseクラスターのOpsCenterキースペースにデータを格納するのを避けたい場合は、別のDataStax Enterpriseクラスターにデータを格納できます。SSLが有効になっている場合、OpsCenterはDataStax Enterpriseストレージ・クラスターへの接続をサポートします。

エージェントには2つの異なるクラスター接続があります。監視対象のクラスターとストレージ・クラスターが異なる場合、エージェントはこれらの接続の一方で監視対象のクラスターの健全性を監視し、もう一方の接続でストレージ・クラスターにメトリクスを書き込みます。別のストレージ・クラスターが存在しない場合は、両方の接続プールが同じDataStax Enterpriseクラスター・インスタンスを指します。

注: OpsCenter 5.2.2より前のバージョンでは、ストレージ・クラスターと監視対象のクラスター間で認証メカニズムと認証情報が同一である必要があります。OpsCenter 5.2.2以降では、監視対象のクラスターとそれに対応するストレージ・クラスター間で異なるSSLまたは認証接続設定を使用することがサポートされています。

始める前に

  • シード・ノードには、Kerberosセキュリティを使用せずにアクセスできる必要があります。
  • OpsCenterが監視するDataStax Enterpriseクラスターごとに、一意のキースペースを使用する必要があります。複数のクラスターのデータを格納する場合は、クラスター名をサフィックスとしてOpsCenterのデフォルトのキースペース名に追加することが推奨されています。たとえば、キースペース名をOpsCenter_Cluster1に設定します。

手順

  1. 編集する、ストレージ・クラスターの構成ファイルcluster_name.confを開きます。cluster_name.confは、特定のクラスターの名前付き構成ファイルを表しています。cluster_nameは実際のクラスター名に置き換えます。
  2. お使いの環境に適したストレージ構成オプションを指定して[storage_cassandra]セクションを追加します。

    次の構成例では、監視対象のクラスターとストレージ・クラスター間の認証が類似していると仮定しています。

    
    [storage_cassandra]
    username = opsusr
    password = opscenter
    seed_hosts = host1, host2
    api_port = 9160
    cql_port = 9042
    keyspace = OpsCenter_Cluster1
    ヒント: cluster_name.confファイルの[agent_config]セクションでほとんどのエージェント構成オプションを設定できます。[agent_config]セクションのオプションは、address.yamlの対応する構成オプション名と一致する必要があります。クラスター構成ファイルでエージェント・オプションを設定すると、各ノードのaddress.yamlで対応するプロパティが設定されます。特定のプロパティや状況によっては、該当するエージェント上のaddress.yamlで直接プロパティを設定する必要がある場合もあります。リスト・エントリー(値1、値2、値3など)が必要なエージェント構成オプションの設定は、cluster_name.confではサポートされていません。

    監視対象のクラスターとストレージ・クラスターに使用できるクラスター構成オプションは、次のとおりです。

    [agents] ssl_keystore
    監視対象クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアの場所。
    [agents] ssl_keystore_password
    監視対象クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアのパスワード。
    [agents] storage_ssl_keystore
    ストレージ・クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアの場所。
    [agents] storage_ssl_keystore_password
    ストレージ・クラスターでCQLに接続するために使用するエージェントのSSLキーストアのパスワード。
    [cassandra] seed_hosts
    Cassandraシード・ノードは、リング・トポロジーを特定し、クラスター内のノードに関するゴシップ情報を取得するために使用されます。シード・ノードのコンマ区切りリストは、cassandra.yaml構成ファイルのシード・プロパティでCassandraまたはDataStax Enterpriseクラスター用に構成したリストと同じでなければなりません。デフォルト値はlocalhostです。
    [storage_cassandra] seed_hosts
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。Cassandraシード・ノードは、リング・トポロジーを特定し、クラスター内のノードに関するゴシップ情報を取得するために使用されます。このシード・ノードのコンマ区切りリストは、cassandra.yaml構成ファイルのシード・プロパティでDataStax Enterpriseクラスター用に構成したリストと同じでなければなりません。
    [storage_cassandra] api_port
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。クラスター用に構成されたThriftリモート・プロシージャ―・コール・ポート。cassandra.yaml構成ファイルのrpc_portプロパティと同じです。デフォルトは9160です。
    [storage_cassandra] cql_port
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。クラスター用に構成されたCQLポート。デフォルト・ポートは9042です。
    [storage_cassandra] local_dc_pref
    クラスター情報を確実に特定するために、OpsCenterは2つ以上のノードに接続する必要があります。seed_hostsに単一値を指定した場合は、この要件を満たすためにOpsCenterによってクラスター内の2番目のノードが選択されます。データ・センター名にlocal_dc_prefを指定すると、OpsCenterが2番目のノードを選択するときにそのデータ・センターを使用するよう強制できます。
    [storage_cassandra] used_hosts_per_remote_dc
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。local_dc_prefを使用する場合に、フォールバックとして使用されるリモートDC接続数を指定します。デフォルト値は1です。
    [storage_cassandra] connect_timeout
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。OpsCenterからCassandraへのThrift接続のタイムアウトを秒単位で設定します。デフォルト値は6.0です。
    [storage_cassandra] bind_interface
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。Thrift接続に使用されるインターフェイス。
    [storage_cassandra] connection_pool_size
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。接続プール用に作成するThrift接続の数。デフォルト値は5です。
    [storage_cassandra] username
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。認証が有効になっている場合に、Cassandraへの接続に使用するユーザー名。
    [storage_cassandra] password
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。認証が有効になっている場合に、Cassandraへの接続に使用するパスワード。
    [storage_cassandra] send_rpc
    OpsCenterストレージに別のクラスターを使用する場合に構成します。Cassandra RPC IPをエージェントに送信するかどうかを指定します。デフォルト値はTrueです。
    [storage_cassandra] keyspace
    OpsCenterデータに使用されるキースペースの名前。キースペース名は、管理対象のクラスターごとに一意である必要があります。
    [storage_cassandra] ssl_keystore
    Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLキーストアの場所。
    [storage_cassandra] ssl_keystore_password
    Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLキーストアのパスワード。
    [storage_cassandra] ssl_truststore
    Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLトラストストアの場所。
    [storage_cassandra] ssl_truststore_password
    Cassandraに直接接続するために使用するOpsCenterのSSLトラストストアのパスワード。
    [cassandra] rolling_restart_retry_delay
    ノードの再起動後にCassandraへの接続をリトライする間隔(秒)。デフォルト:5。
    [cassandra] rolling_restart_retry_attempts
    Cassandraノードの再起動後に接続をリトライする最大回数。デフォルト:25。
    [cassandra] rolling_restart_error_threshold
    再起動中にエラー数がこの数に達すると、ローリング再起動がキャンセルされます。これにより、ローリング再起動中に重大な問題が発生した場合に、クラスターで多くのノードがダウンするのを防ぐことができます。デフォルト:1
    [cassandra] restart_delay
    ローリング再起動中に、OpsCenterがCassandraの停止コマンドを送信してから再起動コマンドを送信するまでの待機時間(秒)。デフォルトは30秒です。
  3. ストレージ・クラスターと監視対象のクラスターに異なる認証またはSSL設定を使用する場合は、編集するcluster_name.confを開き、環境に合わせて[agents][storage_cassandra]、および[cassandra](監視対象)セクションに次の設定を追加します。
    [agents]
    ssl_keystore = /etc/dse/keystore
    ssl_keystore_password = example
    storage_ssl_keystore = /etc/dse/keystore_storage
    storage_ssl_keystore_password = example2
    
    [storage_cassandra]
    username = foo
    password = bar
    
    [cassandra] #monitored 
    username = baz
    password = test
    注: 5.2.2より前のストレージ・クラスターにcassandra_user設定のみが構成され、認証の違いがない場合は、5.2.2にアップグレードすると、opscenterdによってストレージのcassandra_usermonitored_cassandra_user設定の両方が自動的に設定されます。
  4. お使いの環境でサードパーティCMSアプリケーションとの統合などの理由により、address.yamlのオプションを設定する必要がある場合は、ストレージ構成オプション(monitored_プレフィックスを除く)と対応するmonitored_構成オプションを環境に合わせて設定します。これらのエージェント・オプションをaddress.yamlで設定する場合は、ノードごとに設定する必要があります。一方、cluster_name.confのオプションの設定は、すべてのエージェントに自動的に伝搬されます。

    ストレージ・クラスターと監視対象のクラスターに使用可能なaddress.yamlの構成オプションは、次のとおりです。

    cassandra_port
    ストレージのcassandraノードに接続する際に使用するポート。ネイティブ・トランスポート・ポート。例:cassandra_port: 9042
    thrift_port
    ストレージのThriftサーバー接続する際に使用するポート。デフォルト設定は9160です。この情報は便宜上opscenterdから送信されますが、必要に応じてローカルに構成することも可能です。例:thrift_port: 9160
    cassandra_user
    認証が有効になっている場合に、ストレージのcassandraへの接続に使用するユーザー名。例:cassandra_user: cassandra
    cassandra_pass
    認証が有効になっている場合に、ストレージのcassandraへの接続に使用するパスワード。例:cassandra_pass: cassandra [このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
    ssl_keystore
    エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLキーストアの場所。例:ssl_keystore: /etc/dse/conf/.keystore
    ssl_keystore_password
    エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLキーストアのパスワード。例:ssl_keystore_password: keystore-pass [このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
    ssl_truststore
    エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLトラスト・ストアの場所。例:ssl_truststore: /etc/dse/conf/.truststore
    ssl_truststore_password
    エージェントがCQLに接続するために使用するストレージ・クラスターのSSLトラスト・ストアのパスワード。例:ssl_truststore_password: truststore-pass [このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
    monitored_cassandra_port
    監視対象のcassandraノードに接続する際に使用するポート。ネイティブ・トランスポート・ポート。例:monitored_cassandra_port: 9042
    monitored_thrift_port
    監視対象のThriftサーバーに接続する際に使用するポート。デフォルト設定は9160です。この情報は便宜上opscenterdから送信されますが、必要に応じてローカルに構成することも可能です。例:monitored_thrift_port: 9160
    monitored_cassandra_user
    認証が有効になっている場合に、監視対象のcassandraへの接続に使用するユーザー名。例:monitored_cassandra_user: cassandra
    monitored_cassandra_pass
    認証が有効になっている場合に、監視対象のcassandraへの接続に使用するパスワード。例:monitored_cassandra_pass: cassandra-pass [このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
    monitored_ssl_keystore
    エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLキーストアの場所。例:monitored_ssl_keystore: /etc/dse/conf/.keystore
    monitored_ssl_keystore_password
    エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLキーストアのパスワード。例:monitored_ssl_keystore_password: keystore-pass [このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
    monitored_ssl_truststore
    エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLトラスト・ストアの場所。例:monitored_ssl_truststore: /etc/dse/conf/.truststore
    monitored_ssl_truststore_password
    エージェントがCQLに接続するために使用する監視対象クラスターのSSLトラスト・ストアのパスワード。例:monitored_ssl_truststore_password: truststore-pass [このフィールドはセキュリティ強化のために暗号化される場合があります。]
  5. OpsCenterを再起動して、変更内容を適用します。