Backup Service(バックアップ・サービス)

Backup Service(バックアップ・サービス)では、DSEクラスター・データの自動スケジュール・バックアップ、手動バックアップ、および手動の復元を行います。

OpsCenter Backup Service(OpsCenter バックアップ・サービス)を使用すると、DSEクラスター・データの自動バックアップをスケジュールしたり、手動でバックアップを実行したりできます。バックアップは、データ・ディレクトリーに格納されているすべてのオンディスク・データ・ファイル(SSTableファイル)のスナップショットです。OpsCenterを使用して、登録されているすべてのDataStax Enterprise(DSE)クラスターにわたりバックアップのスケジュールと管理、バックアップからの復元を行います。

OpsCenterは、ファイルの重複を防ぐためにバックアップ・データをインテリジェントに格納します。バックアップでは、まず、すべてのインメモリー書き込みをディスクにフラッシュしてから、各キースペースのSSTableファイルのハード・リンクを作成します。完全バックアップと、最後に行った完全バックアップとの差分を使用したインクリメンタル・バックアップを使用する従来のバックアップ・システムとは異なり、OpsCenterはファイルの重複なしに、各バックアップ時のデータベースの状態を完全に再作成できます。

バックアップは各ノード(サーバー内)にローカルで格納されます。追加のバックアップ場所(Amazon S3など)を構成した場合、OpsCenterはそのバックアップ内のSSTableのリストを含む各バックアップのマニフェストを作成し、新しいSSTableファイルのみをアップロードします。

定期的に自動バックアップを実行するようにスケジュールすることも、1回限りのバックアップをスケジュールして、またはアドホック・バックアップとして手動で実行することもできます。

バックアップに関する考慮事項

システムがオンライン状態の間に、データ・センターごと、キースペースごと、複数のキースペース、またはクラスター内のすべてのキースペースのバックアップを作成できます。

重要: Backup Service(バックアップ・サービス)は、デスティネーションの場所のデータと構造を制御する必要があります。バックアップ・デスティネーションは、OpsCenterのみが使用するものとします。これらのデスティネーションに他のディレクトリーやファイルを追加すると、Backup Service(バックアップ・サービス)がバックアップ操作または復元操作を適切に実行できなくなる可能性があります。

データ・ファイルのスナップショットの作成に対応するには、ノードに十分な空きディスク領域が必要です。スナップショット1つではディスク領域をほとんど必要としません。ただし、スナップショットは使わなくなったデータ・ファイルが削除されるのを防ぐため、時間の経過に伴ってディスク使用量が急増する原因となります。

空きディスク領域が不十分で指定された割合以下の場合はバックアップが開始されないように空きディスク領域のしきい値を構成します。各バックアップ場所の保持ポリシーを設定して、スナップショット・データを保持する期間を指定します。
注: OpsCenterのデータ・バックアップでは、nodetoolスナップショット・コマンドを使用して行われた手動のスナップショットは表示または管理されません。

クラスターにDSE SearchノードまたはDSE Analyticsノードが含まれている場合、DSE Searchデータを含むキースペース、またはDSE Analyticsノードのキースペースを含むバックアップ・ジョブにより、関連付けられているデータが保存されます。Solrインデックスは、復元時に再作成されます。

注: バックアップの作成と復元を行う場合、以下の点に注意してください。
  • システム・キースペースのみを含むスナップショットを復元することはできません。復元するスナップショットには、システムと非システム・キースペースの両方が含まれているか、非システム・キースペースのみが含まれている必要があります。
  • テーブル定義を含まないスナップショットを復元することはできません。
  • スナップショットを十分なディスク領域がない場所に復元すると失敗します。復元レポートには、十分な領域がないノードと、復元を正常に行うために必要な領域が表示されます。予防措置の詳細とヒントについては、「バックアップを復元するための十分なディスク領域の監視」を参照してください。
  • OpsCenterは、インデックスのバックアップを行いません。そのため、復元後に、DSEでインデックスを再計算する必要があります。

データの復元

データを復元する際は、以前のバックアップから特定の時点まで復元するか、別のクラスターに復元できます。別のクラスターへの復元は複製と呼ばれています。これは各種のワークフローをサポートしています。

キースペース・バックアップに加えてコミット・ログ・バックアップも使用でき、バックアップ・データを詳細に制御するための特定時点の復元が容易になります。特定時点の復元は、コミット・ログ・バックアップを有効にした後、キースペース・バックアップと併せて使用できます。キースペース・バックアップと同様、コミット・ログ・アーカイブは構成可能な保持ポリシーに基づいて保持されます。