DSE Advanced Replicationのメトリック

エッジ・ノードにあるDSE Advanced Replicationのメトリックは、エッジ・クラスターのそのノードの現在のステータスを参照します。

エッジ・クラスターにあるそのノードの現在のステータスを確認するには、各エッジ・ノードのメトリックを収集します。メトリック機能を使用するには、実稼働しているエッジおよびハブの構成が必要です。「使用開始」を参照してください。

JMXアクセスの確保 

メトリックは、DataStax Enterprise Cassandra JMXシステムに保存されます。JMXアクセスが必要です。
  • 実稼働の場合、DataStaxでは、JMX認証の使用を推奨しています。
  • ローカルJMXアクセスを有効にするには、次の手順を使用します。localhostアクセスは、テストおよび開発の場合に便利です。
  1. エッジで、cassandra-env.shを編集し、ローカルJMXを有効にします。
    JVM_OPTS="$JVM_OPTS -Djava.rmi.server.hostname=localhost"
    LOCAL_JMX=yes
  2. エッジで、DataStax Enterpriseの停止および再起動を行い、ローカルJMXの変更を認識させます。

コマンドラインでメトリックを表示 

コマンドラインでメトリックを表示するには、dse advrepコマンドライン・ツールを使用します。エッジ・ノードがコマンドラインの前提条件を満たすことを確認します。
  1. エッジ・ノードで次のようにします。
    dse advrep --port 7199 -v edge metrics
    Group                  | Type             | Count
    ------------------------------------------------------------------
    ReplicationLogConsumer | Errors           | 0
    Tables                 | MessagesDelivered                 | 4
    ReplicationChannel     | ReloadErrors     | 0
    ReplicationChannel     | FastTrackPermitAcquisitionsDenied | 0
    ReplicationChannel     | DeliveryErrors   | 0
    Tables                 | MessagesReceived                  | 4
    Tables                 | MessagesInReplicationLog          | 0
    ReplicationLog         | MessageAddErrors | 0
    ReplicationChannel     | SlowTrackPermitAcquisitionsDenied | 0
    
    Group | Type | Count | RateUnit | MeanRate | FifteenMinuteRate | Count | OneMinuteRate | ...
    
    Group                  | Type                          | 75thPercentile     | DurationUnit |...
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    ReplicationChannel     | FastTrackEdgeToHubMessages    | 268650.95          | microseconds |...
    ReplicationChannel     | SlowTrackChannelToHubMessages | 30130.992000000002 | microseconds |...
    ReplicationChannel     | SlowTrackEdgeToHubMessages    | 5.3142810146E7     | microseconds |...
    Trigger                | ProcessedMessages             | 2346.799           | microseconds |...
    ReplicationLogConsumer | PeekingTimes                  | 152.321            | microseconds |...
    ReplicationChannel     | TotalEdgeToHubMessages        | 4.4285675122E7     | microseconds |...
    ReplicationChannel     | FastTrackChannelToHubMessages | 62479.625          | microseconds |...
    ReplicationChannel     | TotalChannelToHubMessages     | 30130.992000000002 | microseconds |...
    

メトリックへのアクセス 

メトリックにアクセスするにはJMXを使用します。次の規則を使用します。
com.datastax.bdp.advrep.metrics:type=[グループ(スペースをつめる)],name=[名前(スペースをつめる)]
たとえば、Replication ChannelグループのDelivery Errorsメトリックにアクセスするには、次のようにします。
com.datastax.bdp.advrep.metrics:type=ReplicationChannel,name=DeliveryErrors

パフォーマンス・メトリック

メトリックは、com.datastax.bdp.advrep.metricsパスの下にJMX Mbeansとして公開され、論理的に複数のメイン・グループに分割されます。各グループは、アーキテクチャー構成要素を参照します。メトリック型には、次のものがあります。
Counter
インクリメントとデクリメントを行うシンプルな64ビット整数。
Meter
イベントの1つのセットが発生するレートを測定します。
Histogram
データのストリームの値の分散を測定します。
Timer
イベントのタイプの期間のヒストグラム、および発生レートのメーター。
メトリックは次のグループで使用できます。 各メトリックについて説明します。

Replication channel 

レプリケーション・チャネル・グループのメトリックは次のとおりです。
メトリック名 説明 メトリック型
Delivery Errors Cassandraドライバーを介してハブにメッセージを配信したときに発生したエラーの数。 Counter
Fast Track Channel To Hub Messages ファスト・トラックを介してハブにレプリケートされたメッセージについて、レプリケーション・チャネルがメッセージを受信してから、メッセージがファスト・トラックを介してドライバーに正しくレプリケートされたときまでの時間を追跡します。 Timer
Fast Track Edge To Hub Messages ファスト・トラックを介してハブにレプリケートされたメッセージについて、エッジ・クラスターがメッセージを受信してから、メッセージがファスト・トラックを介してドライバーに正しくレプリケートされたときまでの時間を追跡します。 Timer
Fast Track Permit Acquisition Denied その時点で許可が使用できなかったため、レプリケーション・チャネルが、ファスト・トラックを介してメッセージをハブに送信するための許可を取得しなかった回数。 Counter
Reload Errors レプリケーション・チャネルが再度読み込まれたときに発生したエラーの数。 Counter
Slow Track Channel To Hub Messages スロー・トラックを介してハブにレプリケートされたメッセージについて、レプリケーション・チャネルがメッセージを受信してから、メッセージがスロー・トラックを介してドライバーに正しくレプリケートされたときまでの時間を追跡します。 Timer
Slow Track Edge To Hub Messages スロー・トラックを介してハブにレプリケートされたメッセージについて、エッジ・クラスターがメッセージを受信してから、メッセージがスロー・トラックを介してドライバーに正しくレプリケートされたときまでの時間を追跡します。 Timer
Slow Track Permit Acquisition Denied その時点で許可が使用できなかったため、レプリケーション・チャネルが、スロー・トラックを介してメッセージをハブに送信するための許可を取得しなかった回数。 Counter
Total Channel To Hub Messages ハブにレプリケートされたすべてのメッセージについて、レプリケーション・チャネルがメッセージを受信してから、メッセージがファスト・トラックまたはスロー・トラックを介してドライバーに正しくレプリケートされたときまでの時間を追跡します。 Timer
Total Edge To Hub Messages ハブにレプリケートされたすべてのメッセージについて、エッジ・クラスターがメッセージを受信してから、メッセージがファスト・トラックまたはスロー・トラックを介してドライバーに正しくレプリケートされたときまでの時間を追跡します。 Timer

レプリケーション・ログ 

レプリケーション・ログ・グループのメトリックは次のとおりです。
メトリック名 説明 メトリック型
Message Add Errors レプリケーション・ログにメッセージを追加したときに発生したエラーの数。 Counter
Messages Acknowledged レプリケーション・ログから確認応答(および削除)されたメッセージの数。 Meter
Messages Added レプリケーション・ログに追加されたメッセージの数、およびメッセージが追加された速度。 Meter
Messages Released 保留ステータスからリリースされたレプリケーション・ログのメッセージの数。

ファスト・トラック・メッセージがレプリケーション・ログに追加された場合、これらのメッセージがスロー・トラックにもレプリケートされてしまわないように、保留としてマークされます。ファスト・トラック・メッセージがリリースされると、保留ステータスが削除され、メッセージをスロー・トラックにレプリケートできるようになります。通常、リリースされるメッセージは、ファスト・トラックを介してハブに正しくレプリケートされなかったメッセージであるため、スロー・トラックへのリトライが必要です。

Meter
Messages Removed レプリケーション・ログから削除されたメッセージの数。確認応答されたメッセージや、TRUNCATE操作の後に削除されたメッセージを含みます。 Meter
Messages Size エッジ・クラスターにより受信され、レプリケーション・ログに追加されたメッセージのサイズ。 Histogram

レプリケーション・ログ・コンシューマー 

レプリケーション・ログ・コンシューマー・グループのメトリックは次のとおりです。
メトリック名 説明 メトリック型
Errors レプリケーション・ログからメッセージを消費したときに発生したエラーの数。 Counter
Peeked Messages レプリケーション・ログから消費されたメッセージの数。 Meter
Peeking Times レプリケーション・ログから一連のメッセージの消費にかかった時間。 Timer

トリガー 

トリガー・グループのメトリックは次のとおりです。
メトリック名 説明 メトリック型
Processed Messages レプリケーションが有効となっていたテーブルについて、エッジ・クラスターにより受信されたメッセージの数。メッセージの処理(レプリケーション・ログへの追加など)およびクライアントへの制御のリターンにかかった時間。 Timer

AdvancedReplicationHub-metrics 

AdvancedReplicationHub-metricsグループのメトリックは、Cassandra Javaドライバーから自動的に提供されています。一部の例を次に示します。
メトリック名 メトリック型
known-hosts Counter
connected-to Counter
open-connections Counter
requests-timer Timer
connection-errors Counter
write-timeouts Counter
read-timeouts Counter
unavailables Counter
other-errors Counter
retries Counter
ignores Counter
詳細については、Javaドライバーのドキュメントを参照してください。

テーブルごとのパフォーマンス・メトリック 

テーブルごとにパフォーマンス・メトリックを確認するには、JMXを使用します。次の規則を使用します。
com.datastax.bdp.advrep.metrics:type=Tables,scope=[キースペース.テーブル],name=[名前(スペースをつめる)]
たとえば、キースペースdemoのテーブルsensor_readingsMessages Deliveredメトリックにアクセスするには、次のパスを確認します。
com.datastax.bdp.advrep.metrics:type=Tables,scope=demo.sensor_readings,name=MessagesDelivered
テーブルごとに次のメトリックが提供されています。
メトリック名 説明 メトリック型
Messages Delivered ハブにレプリケートされたこのテーブルのメッセージの数。 Counter
Messages In Replication Log このテーブルのレプリケーション・ログに現在あるメッセージの数(推定)。これは、このノードが開始してからの、Messages ReceivedとMessages Deliveredとの差です。次の場合、このカウンターは負の値になります。
  • ノードが開始したときにレプリケーション・ログにメッセージがある場合。
  • メッセージが複数回ハブに配信された場合。
Counter
Messages Received このテーブルについて、エッジ・クラスターから受信したメッセージの数。 Counter
cassandra-env.shファイルの場所は、インストールのタイプによって異なります。
パッケージ・インストール /etc/dse/cassandra/cassandra-env.sh
tarボール・インストール install_location/resources/cassandra/conf/cassandra-env.sh